平成28年7月20日水曜日13:00
港区議会総務常任委員会


1.公式サイトやSNSに力を入れている港区議会の委員会を傍聴


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西は流行の最先端・青山エリア、中央部はビジネスの中心街、
東は観光地・お台場エリアと意外に幅広い特色を持つ港区。

行政の中心である港区議会は、FaceBookの公式ページを持つ珍しい地方議会だ。
定例会や各種委会が開始する前後、随時投稿がアップされている。

SNSだけでなく、元々公式サイトの充実ぶりは、東京都議会を凌ぐほど。
徐々に普及している本会議のインターネット生中継を取り入れられているのはもちろんのこと、
議事録や録画の検索が非常に細かく設定可能で、
議会側と区民の熱心さがとても伝わってくるのだ。

都営大江戸線・大門駅から徒歩約8分歩いて、港区役所の隣にある港区議会に到着。

正門口の守衛の方に、傍聴に来た旨を伝えると、すんなり4Fだと教えてくれた。
警戒中の都議会とは大違いである。

4Fは委員会室がいくつかり、すでに出席する関係者であふれていた。

今回傍聴する総務常任委員会が開催される委員会室の前にいた区職員らしき人物に傍聴の旨を伝えると、
指定の傍聴券に住所と氏名を記入すればよいとのこと。
 

 
 
 2.委員会室で傍聴開始


 
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交付番号からして、今日は7,8名の傍聴人がいたようだ。
 
記入し終わり半券を渡入室すると、
総務常任委員会日程という日時や審議事項のプリントが配布され、
傍聴人用のファイル資料を貸してくれる。
ファイル資料には審議される内容に関する資料が挟まれており、
委員会内容がより詳しく把握できるようになっている。
 
議員含め50名以上の人々がぎゅうぎゅうづめに座っていた。
 
自分以外の傍聴人は、請願者の関係者のよう。


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定刻に開始し、今回の審議事項である
 
(1)「請願28第2号原発事故避難者への住宅支援継続の意見書を求める請願」

 
 の審議に入った。

請願者2人の話と、書記の2人により国への意見書が読まれる。

請願者の1人は、有志の代表者で、熱心に現状を説明。

続いて、もう1人の請願者の東日本大震災に伴う、
福島の原発事故で双葉町から避難してきた方による

当事者の生の声を聞くことができた。

現在、浜松町近くにある神明住宅というところに住んでおり、そこへの居住を
支援により継続してほしいという要望なのだ。

福島での現状、心情などを熱心にアピール。
避難してきた当時は、とにかく情報が得られず、とても不安だったそう。

でも、神明住宅の人々などがとても親切にしてくれて助かったとも
おっしゃっていた。

話が終わり、避難者の方が感情が高ぶり過ぎて、早口になってしまったため
議員から、少しゆっくり話すように依頼が。

議員からは、家族の人数、震災当日の状況などを更に 質問されていた。

避難者の方は、東電からの詳細な情報が流されてこなかったのが不安だったということ
などを回答。



その後の議員と区防災課長のやりとりを箇条書きにすると、

・港区内への避難者64名のうち、63名が無償で、うち7名を港区が支援。
  福島が支援しているのは47名で、他は岩手や宮城が支援している。

・無償住宅の延長について、被災した元の自治体から要請がないので来年3月31日以降は
  自主的な避難になるのではないか。

・港区から出ていけというわけにはいかないので、総合的に支援していく予定。

・東京都全体では、平成28年度5月31日現在、都営住宅で2,308名、
 民間住宅に474名が避難している。世帯数は不明。

・自治体によっては、避難者同士の交流はある。
 個人情報の関係でやたらには交流のフォローができない。

・国は避難者を福島へ返したい考え。

・港区内の避難者の居住費用は今のところ、港区の財源で負担しているが、
  最終的には国に請求する予定。

・支援体制の流れは、被災地→国→東京都→区市町村

・港区独自の政策で応急仮設住宅というのがある

・3月31日以降の国の判断が不明


この間、実は私の隣席が傍聴者が貸与されている資料ファイルの表紙に貼ってある
タイトルシールをやたらにはがそうとしていて、不愉快だった。


委員長により、各会派ごとに国に対する意見書をまとめることなど話があり、
各会派の態度表明に入る。


自民党は不採択。理由は国が決めることだから。


みなと政策会議は継続、但し要望通りに受け入れるのは難しい。
基本的には国と被災地がやることだからと補足。


公明党も不採択。

共産党は継続。

東京維新の会も継続。

結局、多数決で継続という結果に。

港区として、できるだけのことをやりたいということだ。


(2) 発案27第9号地方行政制度と財政問題の調査について

は継続で可決。

翌日は、精査日ということで、委員会は閉会ということも発表された。





3.港区民でなくても知らないといけない問題
 


港区の住民でなくても、原発事故による避難者の住宅問題は
把握していなくてはいけないことなので、
大変参考になった。

会議中、何度も委員長が他に質問は?と聞くので
自分も手を上げそうになってしまったくらいだが
傍聴者はそれができないのでしっかり我慢。

他地域の住民でも、自分が関心ある分野のことが
取り上げられる審議は
傍聴していてとても興味深く、
あっという間に1時間以上が過ぎていたくらいだった。




■基本情報
名称:港区議会
住所:東京都港区芝公園1-8-25
アクセス:都営三田線「御成門」駅から徒歩約5分
電話番号:03-3578-2920(区議会事務局調査係)
URL:http://www.gikai.city.minato.tokyo.jp/main/index.html