FullSizeRender
一応日本も民主主義国家。だが、活かされている実感がない人も多いのでは? たとえば声をあげると、個性的な人だの変人扱いされて終わるのが現状だ。それでも平成末期から多様性が重要視されたり、個性を重視する海外の教育を取り入れる学校が出てきたりと、しっかり自分の意見を持つことが見直されてきている。






民主主義教育の本場スウェーデンを体験


FullSizeRender
今回の講師を務めたヨアキム・ハンセン氏は、スウェーデンの中高社会科の教員でもある


教育関係のイベントも多種多様な内容が開催。海外の教育でも北欧式民主主義教育の講座が増加中。

選挙権が18歳に引き下げられたことにより、高校生の政治教育、主権者教育の必要性が迫られ、子供の民主主義教育に歴史のある北欧式に注目が集まっているのだ。

そんな中、模擬選挙推進ネットワークがスウェーデンの民主主義教育について複数回に分けて講座を開いている。

今日の回では、スウェーデンの民主主義教育について実践を体験。

民主主義教育の模擬授業として、スウェーデン出身の留学生により進行した。





アクティブに議論の準備体操

IMG_4492
ゲームをするようなノリで意見を出し合う


まず、議論のウォーミングアップとしてあるテーマに関して3つの意見のグループに分けさせ、それぞれの理由を言う。

ポイントは、アクティブに行うこと。机をどかし、体を動かしながら進める。

最初はゆるいテーマから始まり、いくつかの段階を経て固いテーマで意見を言うのだ。

具体的には

①「アイスクリームについて、好き、嫌い、どちらでもない」
②「仕事や授業の開始時間について、現況でよい、早い方がいい、遅い方がいい」
③「ネットの情報について、信じる、信じない、どちらでもない」
④「消費税について、増税賛成、増税反対、廃止」

という段階を踏んだ。

ゆるやかに内容をレベルアップしていくと、大人でも抵抗なく、真面目な政治問題や社会問題について意見が言えるようになる。





座りながらさらに議論を深める


FullSizeRender
常に「なせ?」を念頭に置きながら議論を進めるのがコツ


そして、本題である特定テーマについて議論。

この段階では、グループを分かれ、机を並べ直し、座りながら、じっくり話し合う。

あらかじめ用意されたニュース記事を参考に、指定された項目についてまとめ最後にグループごとに発表する。

今回のテーマは、消費税増税について各党の主張を分析すること。

自民党は安倍晋三氏、岸田文雄氏、れいわ新選組は山本太郎氏、立憲民主党は枝野幸男氏、それぞれの街宣取材をまとめたネットニュース記事が配布。

それぞれ、消費増税についてどう主張しているか、ターゲットがどこか、どんな背景を理由にしているかを細かく話し合った。

3つのグループに分かれたが、それぞれ多様な話し合いが行われたよう。






議論を深めたらやること

IMG_4496
やはり普段から「なぜ?」という気持ちを持つことが大事


今回はできなかったが、本場スウェーデンではその後どうするか?

・議論した結果を価値観とし、街角にある選挙小屋で本物の政治家にインタビューして回る

・模擬選挙を行う

・テスト

というのが大まかな流れ。





政府は国民の使用人

IMG_4497
日本でも浸透させたい考えばかり


↑サブタイトルの「政府は国民の使用人」は講義の最後でとても印象に残った言葉。

スウェーデンでの政府や議員の立場を明確に表している。

日本でもそうだと私もずっと思っているのだが、どうも雲の上の存在なイメージが強いのが残念。

そういうもんだと断言して知ったかぶっている一部の層がいることにはとても呆れる。







民主主義の鍵?Fika

FullSizeRender

講義の合間の休憩では、お菓子が配布された。トイレなどに行かない参加者の中には、引き続き議論に花を咲かせる人も。本場スウェーデンでは、仕事の合間にFikaというお茶の時間があり、お菓子もつまみながらざっくばらん仕事の反省点や改善点などを話し合う習慣がある。それこそ民主主義の原点ではないだろうか?日本でも根付くといいなあと思う。




■基本情報
名称:民主主義教育研究会2019 vol.3「スウェーデンの民主主義教育『政治について話そう』の実践&学校内民主主義」
主催:模擬選挙推進ネットワーク
URL:http://www.mogisenkyo.com/